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★12 吊られた男(ハングマン)

●若い男がTの字に立った絞首台に片足を縛られて吊るされている、両手は後ろで縛られ最早なすすべを失っている。吊るされた当初は何故この様な目にあわなければならないのか困惑し、抵抗をし、暴れ、もがき苦しんだのだろう、しかし若者の表情は決して苦んでるようには見えない、そして怒りや憤りも屈辱さえも伝わってこない、これは長い間吊るされた結果、今現在置かれてい状況を理解し受容すれば苦しまなくて済むことを悟ったのだと思われる。なぜなら上下逆位置にして眺めて見れば、その姿は片足で立って喜んで踊っているように伝わってくる。

●伝統的な逆さ吊りの刑罰としては反逆者に対して与えられるもので、絞首刑とは違って死を意味するものではなく、公衆の面前で笑い者としてさらされ屈辱感を強いられる刑罰のようだ、古いイタリアのカードでは「反逆者」と名づけられているものもある。母親(女神)が我が子(人間)への愛のムチとして足首をつかんで逆さに吊るし、お尻をたたく光景を連想させる。

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